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執筆者の写真an&an

体験談③:娘への性的虐待、共同親権への不安

更新日:2020年9月19日

私の娘は私の元夫=実の父親 より性的・精神的虐待を受けていました。 婚姻中は私への精神的・経済的・身体的暴力があり、心身ともに疲弊していたので娘への数々の行為も「愛情表現の一種だろう」と思い込んでいました。 また周囲の人に相談したところ、同じように言われたこともあり疑問に思いつつも「まさか」の気持ちが大きかったのが事実です。

ですがある日、娘に保育所からの帰り道に 「誰にも言わないで。もうパパにキスされたり体触られたりするのが嫌なんだ」と言われました。 恐らく誰もいない、自転車で二人きりだったから娘は言えたのでしょう。 それよりこんな風に娘が思っていたこと、助けてあげられなかったことに対して自分を恥じました。

それから改善してほしく元夫に意見をしたことも多々ありましたが 「そんな目で見るお前が異常だ」「俺と娘を仲違いさせたいんだろう」 などと言って取り合ってはもらえませんでした。 毎晩毎晩、父親に体を触られる度、抵抗する娘の叫び声を聞いて娘に覆いかぶさって「やめて!」と懇願しても全く分かってもらえないのです。

娘の抵抗が激しくなればなるほど元夫は精神的に娘を支配するようになりました。

「ママは何もできない」「パパのいうことを聞いておけば大丈夫」 「人は痩せていて髪が長くなければいけないのだ」等々、また性的な行為もエスカレートしていきました。

そのうち娘はご飯を食べなくなりました。 後に娘に言われました。「パパのいうことをきかないといじめられるから」

その他様々なことがあり私は娘を連れて家を出ました。それから一度も娘と元夫は会っていません。

今までの出来事から今は会わせられないと思っていました。 でも一度娘に聞いたことがあります。実家に避難して二週間後ぐらいのことです。

「ママが無理やり連れてきちゃったのかな?」と。

そうすると娘は 「私は私がここに来たくて来た。それは誰が言ってるの?パパなのか?だったらはっきり言うから今すぐ電話をかけて!ママも私もあんなにいじめられていたのに戻りたいの?私は嫌だ!」 と言いました。 私の娘は幼いながらもしっかりと意志をもって物事をはっきり言うタイプだったのかもしれません。 でも様々な方に言われました。 「お母さんが守ってくれたから安心して自分の気持ちを言えるようになったんですよ」と。

今、親子断絶防止法から始まり共同親権を実現させようとする動きがあると聞きます。 共同親権のメリットとして「例え離婚しても両親は両親だ」とか 「共同親権が実現されれば児童虐待の発見・防止に有効」 といった意見も多々見受けます。 ですが私と娘のようにまさに児童虐待・暴力の世界から命からがら逃げ伸びた者からすれば共同親権になりまた相手と接触せねばならない可能性が出てくることは恐怖でしかありません。 そして果たして娘に対して上記のような行為を行い、また離婚時には「もう関係ないんだから連絡はしてくるな」とまで言った元夫は果たして親権を持つにふさわしい人間でしょうか? それともそんな風に元夫をさせたのはあなただと言う方もいらっしゃるのでしょうか?

歪んだ愛情はまた歪んだ人格を育てます。 私は娘のケアプログラムを担当してくださった臨床心理士さんにケア最後の日にこう言われました。

「娘さんは今やっと子供らしく、心から生活を楽しんでいる。一年間で変わりました。ですから これからもこのままのびのびと育ててあげてください。昔のことは忘れさせてあげてください」

共同親権推進派の方はきっと私のこの話にもいろいろと反論されることでしょう。 ただ例え親でも会わないほうが幸せなこともあるのです。 そして今娘は本当に明るく朗らかに人生を満喫しています。

私の娘も父親と会わなくなり八年です。 共同親権の問題に関わる議員さんや有識者の方々のご意見には「DV被害者にも考慮する」と仰っているかたもいらっしゃいますが、きちんとしたシステムが構築されず、共同親権が実現された場合、もし娘が父親と会わなければならない事態が起こった場合に娘の精神状態はどうなるのか予想もつきません。 共同親権の実現を是が非でもとおっしゃている方々はもしそうなったときは私たちのような 者にたいしては何らかのケアができる方法もお考えになっておられるのでしょうか?

八年経っていますか今から虐待を立証することは困難です。虐待があったと証明できない場合はどうなるのでしょうか?私は自分のDV相談に出向いた警察署で思いがけずこのように言われました。

「あなたの夫が娘さんに行っていることは強制わいせつ罪です。このような人物は検挙しなければなりません。出来れば被害届を出してほしい。でなければ不幸な事件に発展する可能性もあります。ですがそのためにはもう一度娘さんを元の居住地に連れて行き、現場となった自宅でいろいろなことを訊かなくてはなりません。辛い記憶を呼び起こすことになります。このことをよく考えてください。我々はいつでも動きます。後はお母さんの決断です。」

私は考え抜いて「被害届を出さない」決断をしました。 娘の気持ちを考えてのことです。そして娘の心のケアを優先させました。 虐待の確たる証拠を得るためには時に重いリスクも伴うのです。

「DVや虐待があれば警察にいって検挙してもらえばいい」 「それをしないのはほんとはそんなことはなかったのだろう」 これもよく見受ける意見です。

ですが先に書いたことが現実です。

最後になりますが私はこれまで お子さんを連れ去られた方、お子さんを連れて避難した方、お子さんを別居親に会わせたいが拒否されている方、お子さん自身が会いたくないと拒否されている方、お子さんにいつか会いたいと願いながら叶わなかった方・・・様々な状況の方々に出会いました。

そして私は八年前、様々な方の力を借りて最後は自分の力で子供を守りました。本気で娘を壊そうとする相手と対峙しました。なぜならその頃は私が動くことでしか娘を守れなかったからです。 その時に私を後押ししてくださった方はお子さんと断絶させられた方でした。 その方からいただいた言葉は 「今すぐ娘さんを連れて逃げてください」 でした。

共同親権が実現されれば救われる親子がいることも承知しております。しかしより困難な状態になる親子がいるのも事実です。 私は日本が諸外国から遅れているからこそまずは諸外国のように離婚する夫婦とその子供に対して 安心安全な環境が提供できるシステムを構築することが先決だと考えます。 それからの「共同親権」への移行でも決して遅くはないと思います。

「共同親権」へと移行しようとする動きの中心にいらっしゃる方々には どうか様々な状況の方々から意見を吸い上げすべての親子にマッチしたものは難しいかもしれませんが真に子供が伸び伸びと安心して暮らせる環境を目指していただけたらと切に願います。

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