DV虐待を無視した共同親権にNOを!
パブコメ送信のお願い(2023年2月17日まで)
離婚後の子の養育(共同親権導入)に関するパブリックコメントが始まっています。
ネットからの意見提出も可能ですので、当事者の方も、そうでない方も、
ぜひたくさんの声を届けてください。
■具体的な問題点・不安点は下記サイトをご覧ください。
■途中でメンテナンスが入ったり早期締切されることも予想されますので、余裕をもってお送りください。
■たった一言「現状のままで良い」だけでも構いません。
パブリックコメントの書き方について
Kids Voice Japanさん
「法制審の共同親権案で民法はどう変わる?
パブコメ試案の解説」
サイト内の関心のあるテーマから、具体的な書き方についてジャンプすることができます。
例えば・・・
・すでに離婚している人も、親権再指定?
・共同親権導入が心配という方
・未婚で妊娠した場合も「共同親権」になるかも
・これから離婚や別居をしようと考えている人
・面会交流が「命令」になるかも
・DVを告発すれば、主たる監護者になれない?!
・養育費が義務化されない?!
・「別居」が自由にできなくなる?!
・再婚についても、元配偶者からの干渉があるかも?!
・身体的DV以外の暴力を無視した危険なルールが作られる?!
・リーガル・ハラスメントからの保護
・経済的DVがひどくなる?!
・(元)義両親など親以外の第三者の面会交流が必要
・・・・などなど、関心のあるテーマからパブコメをお送りください。
弁護士さんによる解説動画
今止めないとマズい!弁護士が分かりやすく語る、「共同親権の危険性」
(約30分)
(出演:認定NPO法人フローレンス会長 駒崎弘樹さん、岡村 晴美弁護士、弁護士 太田 啓子弁護士)
「共同親権制度がどのように危険なのか・中間試案やパブコメとは何か」が、
30分でコンパクトにまとまっています。
家族法改正のパブリックコメント前に~家裁の現場から伝えたいこと
(約90分)(出演:岡村晴美弁護士)
前半約40分はDVについて(特に、非身体的DVや子どもへの影響についても)
詳しくお話されています。
日本のDV被害者の実情を知るためにも、すべてを通してぜひご覧ください。
共同親権の危険性について知る解説動画 (約2分)
共同親権制度のよくある誤解について、テンポよく解説されています。
①離婚後の共同親権とは
②離婚後の共同親権で養育費不払い解決?
③ここが変だよ共同親権推進派
これまでの経緯について当会の意見
この中間試案やパブリックコメント実施については、
それまでの経緯にも内容にも多くの問題があります。
本来、このパブリックコメントは9月に行われる予定でしたが、
原則共同親権制度を目指す自民党議員の不当な介入により、
中間試案の発表とパブリックコメントの実施が大幅に遅れていました。
(詳しくはこちらhttps://sukusuku.tokyo-np.co.jp/support/63058/
その間、令和 4年(2022 年)11 月15 日には、
ひとり親支援やDV被害者支援を行う赤石千衣子委員達から、
拙速な議論と中間試案のとりまとめに対し強い懸念を示す意見表明がありました。
https://www.moj.go.jp/content/001383990.pdf
この中で、
①司法の役務提供に係る情報提供や費用支弁の 支援、家庭裁判所の人員体制強化が必要である
②税制・社会保障制度・教育支 援との関係を整理する必要があり、その検討のための省庁横断的な検討会を設置すべきである
と指摘されました。
しかし、審議会の多くの委員・幹事からは
「この部会の役割は父母の離婚後の子の養育の在り方に関連する民事基本法制の見直しをすることであるから、それらの指摘は今回の調査審議の対象ではない」と指摘されたため、
なんの検討もなく「中間試案の補足説明にその旨を記載する」という決定だけがされたそうです。(家族法制部会第20回議事速報よりhttps://www.moj.go.jp/content/001384292.pdf
当事者としては、赤石委員達の指摘は当然であると思います。
例えば・・・共同親権制度により別居親と共同監護状態になった場合、
「ひとり親」とみなされなくなると、児童扶養手当が支給されなくなる・税制上のひとり親控除(寡ふ控除)が適用されなくなる恐れもあります。
さらに、DV虐待対策については、
中間試案に「本試案で取り扱われている各事項について、今後、具体的な規律を立案するに当たっては、配偶者からの暴力や父母による虐待がある事案に適切に対応することができるようなものとする。」と書かれただけで(https://www.moj.go.jp/content/001383761.pdf
DV虐待事案での具体的な運用については一切議論されていません。
(第16回の議事録を読むと、「DV虐待をどのようにアセスメントするのか・DV被害者が支援措置(住所秘匿措置)を受けている場合、保護命令が出されている場合、どのように面会交流・共同監護・共同親権について定めるのか」等々、それらの議論がなかったことが赤石委員から指摘されています。https://www.moj.go.jp/content/001379414.pdf
実際の運用について検討がないまま、
法改正だけが先行することに大きな違和感と不安を感じます。
拙速な共同親権導入は、大きな混乱・悲劇をもたらし、
子どもの権利や命までも害する危険性があります。
さらに言えば、役所は・学校は・医療機関は・銀行は・子の習い事や子ども向けサービス事業者は、適切に対応できるでしょうか?
事例1)
千葉県野田市の虐待死事件では、
父親が当該児童のアンケートやその他の情報の開示を学校に求めました。
また、子どもが児童相談所に保護された際も、
父親は親権者である自分に子を返すよう児相職員に強く迫ったそうです。その結果、児相は保護解除して父方祖父母へ子を引き渡してしまい、その後に父親が再び子と同居を始めました。
※この際に、児相は親権停止措置を行うべきだったという指摘があります。)https://www.sankei.com/article/20190301-XVO2ZWHI4ROSJGZSX2G7DDLYXQ/
事例2)
先月は、別居父(離婚前で共同親権者であるが、裁判所により子との面会が禁止された状態だった)が、
自分への説明・同意なしに3歳の娘への心臓手術を行った病院に対して慰謝料190万円の支払いを求めた裁判で、病院側が敗訴するという事件もありました。
※娘への手術、面会禁止された父親の同意なしは違法https://mainichi.jp/articles/20221116/k00/00m/040/364000c
どちらの事例を見ても、今後共同親権制度になった場合は、
このような事態を回避するために事前に親権停止手続きが必要となってしまいます。
今後ますます家庭裁判所の負担は増える一方です。
このように、実務について検討せず、DV虐待被害者の存在を透明化したまま、
机上の空論だけで強行する共同親権制度は、決して承服できません。
また、DV虐待被害者だけでなく、
子どもに関わる仕事に従事する方々も対応を迫られる危険性があると知って頂きたいです。
ぜひ、パブリックコメントで皆様の声を届けてください。