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​政党アンケート回答詳細​

Q1-1. DV防止法における保護命令の対象者を
「精神的・経済的・性的DV」の被害者に拡大す ることに賛成(反対)ですか?

Q1-2. 非身体的DVの被害者の子どもも、
面前DVの被害者(虐待被害者)として明確に位置づ け、保護命令の対象とすることに賛成(反対)ですか?

Q2.日本の家庭裁判所が、虐待・DVを訴える家庭の子どもの面会交流について決定する際、
今よりも慎重に家族間暴力のリスクを評価したうえで、同居親と子どもの安全を最優先とする
規定を設けることに賛成(反対)ですか?

Q3.2021年3月に上川陽子法務大臣(当時)の諮問に基づき、法制審議会家族法制 部会において、
離婚後の子の養育に関する検討が進められております。
この事に関して、 貴党のお考えをご自由にお聞かせください。

​日本共産党からの回答

・6月1日メール送信/6月14日メールで回答

Q1-1.DV防止法における保護命令の対象者を「精神的・経済的・性的DV」の被害者に拡大す ることに賛成

コロナ禍のもと、2020年度のDV相談件数は全国で19万件を超え、前年度の1.6倍となりました。10代~20代の交際相手からの暴力は、配偶者によるDVと同様増えました。
 DV防止法の中核的な制度である「保護命令」の発令件数は減少し続けています。
保護命令は、被害者の申し立てで裁判所が加害者に被害者への接近禁止等を命ずるものです。これが使われずに減っているのは、保護命令できる暴力の範囲が、身体的暴力と生命等への脅迫に限定されているためです。
 実際のDV相談では、「暴言」や「無視」などの精神的DVが6割を超え、経済的DVや望まない性行為などの性的DVも増えています。「暴力を寸止めして威嚇するなど、加害者も暴力を選んでいる」、「アザがあるなど緊急性がないと警察が動かず支援につなげないことも多い」などの実態が報告されています。支援者・支援団体からは、DV防止法の対象となる暴力の範囲の拡大の要望が強くあがっています。
 また、保護命令は出るまでに一定の時間がかかります。加害者にすぐに自宅周辺への接近を禁止するなどの「緊急保護命令」の創設が急務です。

Q1-2.非身体的DVの被害者の子どもも、面前DVの被害者(虐待被害者)として明確に位置づ け、保護命令の対象とすることに賛成

 〇DVは、身体的か非身体的かにかかわらず、すべて被害者の心身を傷つける暴力です。同様に、どのようなDVを目撃させられても、目撃者は面前DV(=虐待)の被害者にあたります。また、面前DVの被害者は、同時に自身も暴言を吐かれるなど、精神的暴力を受けていることが多いこともわかっており、その被害の重大さは看過できません。 

Q2. 家庭裁判所が、同居親と子どもの安全を最優先とする規定を設けることに賛成
 
〇面会交流については、実施の決定や、問題が生じたときの対応のカギを握る家庭裁判所の体制がきわめて脆弱(ぜいじゃく)であり、量質両面からの強化が必要です。
 家庭紛争の当事者や関係者と面接を行い、問題解決のために必要な検討を行い、裁判官に報告する役割を担っている家庭裁判所調査官は、この20年ほとんど増員されていません。現状では子の意思が尊重される仕組みが確立されておらず、子ども自身が明確に拒否したにもかかわらず裁判所に面会交流を強制される例や、面会交流時に母や子が父に殺される最悪のケースが日本国内でも生まれています。一部の自治体で学校や保育園を面会交流の場として活用する動きがありますが、専門性も体制もない現場の職員に多大な負担と責任を課すやり方は問題です。家裁調査官の増員をはじめ、公的な責任の下、専門性をもち、子どもの意思を尊重できる体制の確立が急務です。


​Q3.「離婚後の子の養育」について党の考え

日本共産党は、「離婚後共同親権」を拙速に導入するのではなく、子どもの権利擁護の立場から、「親権」そのものを見直す民法改正をおこなうべきだと考えます。
現行民法の下、近年、「親権」は親に課された子に対する養育の「義務・責任」だという解釈が示されています。しかし、「親権」という言葉自体に"親が子を思い通りにする権利"というニュアンスがあり、条文上も、子は「父母の親権に服する」(818条)となっています。これは、戦前の明治民法下で戸主が家族を支配していた時代の名残です。戦後の民法改正が不十分であったために、誤った認識が国民や行政の中にも広く残ってしまっています。
 欧米諸国では、1970年代後半から国際人権規約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約などに基づき、子どもの権利を中心に据えて捉え直す動きが広がり、「親権」の用語自体も廃止・変更されてきました。わが国の民法の規定は世界的にも遅れたものであり、抜本的な改正が必要です。
 政府の家族法研究会においても、「『親権』の用語については...親の子に対する責任を強調する用語に置き換えることとし、親の『責務』、『責任』等の用語を候補としつつ、更に検討を進めてはどうか」との見解が報告書で示され、子どもの権利擁護の立場からの離婚後の家族関係のあり方が再検討されています。「親権」の定義や用語の見直しが必要だという点では、「共同親権」への賛否にかかわらず多くの研究者も一致しています。
 以上のとおり、「親権」については見直すべき問題があり、この「親権」概念を前提にして「単独か共同か」を論じることは適切ではありません。
 また、「親は子を思い通りにする権利がある」などの認識が広く残るもとで「離婚後共同親権」が導入されれば、DV加害者は、「共同親権」を理由に離婚後も元配偶者や子への支配を継続しやすくなり、子どもの権利への重大な侵害を引き起こす危険性があります。DVは決して一部の人の問題ではなく、女性の約4人に1人、男性の約5人に1人が体験しており、「何度もあった」という人も、女性は10.3%(男性4.0%)にのぼります。被害を受けたことがある家庭の3割は、子どもへの被害もあります(内閣府2021年「男女間における暴力に関する調査」)。これらの実情に照らしても、「共同親権」を拙速に導入することには賛成できません。
 日本共産党は、民法の「親権」にかんする規定を抜本改正し、子どもの権利を実現する親と社会の責任・責務という位置づけを明確にすることを求めています。その上で、離婚後の子どもの養育、親の責任のあり方や分担をどうするのかについては、国民的な議論を重ねて合意をつくっていくことが必要だと考えます。

​立憲民主党からの回答


・6月4日レターパック送付/6月17日メール賛成で回答

Q1ー1.  DV防止法における保護命令の対象者を「精神的・経済的・性的DV」の被害者に拡大す ることに賛成
〇被害実態が心理的暴力や性的暴力に移行していることを踏まえ、DV防止法の抜本改正を検討します。

Q1-2.非身体的DVの被害者の子どもも、面前DVの被害者(虐待被害者)として明確に位置づ け、保護命令の対象とすることに賛成 
〇子どもの保護、支援のため、関係機関の機能強化とともに、民間団体との連携強化を進めます

Q2.家庭裁判所が、同居親と子どもの安全を最優先とする規定を設けることに賛成

Q3.「離婚後の子の養育」について党の考え

〇離婚後の子の養育に関しては、半数以上で養育費の話し合いが出来ていない現状に鑑み、子どもの貧困を防止する観点からも、行政機関が一時立替を行う諸外国の例を踏まえ、養育費立替払制度など公的関与の拡大を進めます。

自由民主党からの回答

・6月4日レターパック送付/6月18日メール賛成で回答

Q1-1. DV防止法における保護命令の対象者を「精神的・経済的・性的DV」の被害者に拡大す ることに賛成

Q1-2. 非身体的DVの被害者の子どもも、
面前DVの被害者(虐待被害者)として明確に位置づ け、保護命令の対象とすることに賛成 

Q2. 家庭裁判所が、同居親と子どもの安全を最優先とする規定を設けることにどちらでもない
〇家庭裁判所が面会交流について決定するに当たっては、子の安全を含め、子の利益を最 も優先して考慮すべきであると考えます。DVや虐待のリスクについても、証拠に基づいて適切に 判断すべきですが、具体的な規定の在り方等/については、様々な角度から検討することが重要だと 考えております。

Q3.「離婚後の子の養育」について党の考え

離婚後の子の養育の在り方は、子どもの生活の安定や心身の成長に直結する問題であり、 子どもの利益の観点から重要な課題である。法制審議会では、様々な意見に耳を傾けた上で、子の 利益の確保の観点から、充実した調査審議を行っていただきたい

​社会民主党からの回答
 

・6月3日メール送信/6月20日メールで回答 

Q1-1.DV防止法における保護命令の対象者を「精神的・経済的・性的DV」の被害者に拡大す ることに賛成 

現行法は、保護命令の対象を「身体に対する暴力」に限定していますが、DVのケースはさまざまです。言葉による暴力、精神的暴力(モラル・ハラスメント)、性的暴力などを加えるべきです。男女共同参画会議の専門調査会も、「DV対策の今後の在り方」(2021年3月)を発表し、非身体的暴力も保護命令の対象とするよう指摘しています。

Q1-2. 非身体的DVの被害者の子どもも、面前DVの被害者(虐待被害者)として明確に位置づ け、保護命令の対象とすることに賛成 

面前DV、つまり子どもが見ている前で夫婦間で暴力をふるうことは子どもへの心理的虐待です。暴力で問題解決することを是としたり、自分がDVの原因だと思い込み罪悪感や無力感を感じて育つなど、人格形成に多大なる影響を受けます。子どもが虐待を受ているケースも多く、保護命令の対象にすべきです。

Q2. 家庭裁判所が、同居親と子どもの安全を最優先とする規定を設けることに賛成
 
〇面会交流時に父親が子どもや元妻に危害を加える事件も起きています。同居親と子どもの安全を最優先すべきです。

Q3.「離婚後の子の養育」について党の考え

離婚後の子の養育については、養育費の分担が肝要と考えます。子どもと同居しない親は、同居親に対して養育費を支払う責任があり、それが履行できるよう法制度を早急に整えるべきです。子どもの貧困問題の解決にも資する課題です。

​国民民主党からの回答

・6月3日メール送信/6月20日メール賛成で回答

Q1-1.DV防止法における保護命令の対象者を「精神的・経済的・性的DV」の被害者に拡大す ることに賛成

Q1-2.非身体的DVの被害者の子どもも、面前DVの被害者(虐待被害者)として明確に位置づ け、保護命令の対象とすることに賛成 

Q2.家庭裁判所が、同居親と子どもの安全を最優先とする規定を設けることに賛成 

Q3.「離婚後の子の養育」について党の考え

ー国民民主党は昨年議員立法「子どものための養育費の取決めの確保に関する法律案」を提出しました。この法律案は、離婚をした父母の子が心身ともに健やかに育成されるために、養育費は必要なものであるにもかかわらず、その定めが離婚のときに必ずしもなされていないため、離婚の際の父母の間における養育費の定めの確保に関する施策を総合的に推進するものです。今後も、子どもにとって最良の環境を整え、子どもの権利保障のためには単独親権/共同親権制等、どのような制度が相応しいか、子ども子育て若者調査会をはじめ、党内で協議していきます。

​日本維新の会からの回答

・6月4日レターパック送付/6月23日メールで回答

Q1-1.DV防止法における保護命令の対象者を「精神的・経済的・性的DV」の被害者に拡大す ることにどちらでもない 

Q1-2.非身体的DVの被害者の子どもも、
面前DVの被害者(虐待被害者)として明確に位置づ け、保護命令の対象とすることにどちらでもない 

Q2.家庭裁判所が、同居親と子どもの安全を最優先とする規定を設けることに賛成 

Q3.「離婚後の子の養育」について党の考え

子どもの福祉、最善の利益の確保のため、主要先進国で法制化されている共同親権・共同養育については、DV(家庭内暴力)被害者等、DVに対する施策の推進や法整備を行いつつ、制度の構築を目指します。
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